英語本の偽装

食品の産地や賞味期限の偽装が問題になることがたびたびあるが、英語の本にも偽装がまかり通っているようだ。その例として、某出版社から出ているTOEIC単語集の話。例文にネイティヴのチェックが入っていると書いてあるが、とてもそうは思えない。epigram(警句)という語の例文として、

He delivered an epigram for an entry to the U.S. market.

彼は米国市場参入に対して警句を発した。

という英文と日本語訳が載せてあった。おそらく著者は「警句」を「警告の言葉」という意味に受け取っているものと思われるが、そうではなく、警句とは「短い形で物の真理を鋭くついた言葉」の意味である。この著者、英語の勉強より先に、もう少し日本語の勉強をした方がいい(他にも英語の勉強より、日本語の勉強をした方がよさそうな人がいるようですが…)。語の意味を取り違えていては、当然間違った例文で、私の知り合いのネイティヴに念のため聞いてみても(聞く必要もないが)、誤った例文だという。この本は他にも怪しい例文だらけである。

そのことをメールで指摘すると返信があり、次の版から改めるとのことで、訂正した例文も添えてきた。その例文も私の知り合いに見てもらったが、これまた変な例文だという。困ったものである。

以下、正しい例文。

It is often very effective in concluding an essay to quote a succinct epigram from a great author to highlight one’s main point.

エッセイをしめくくるとき,主題となる部分を際立たせるためには、偉大な作家の簡潔な警句を引用するのが、しばしば非常に効果的である。

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