私の財布はいつも一万円札感が不足している。
最近新聞を読んでいて、言葉(日本語)の使い方に違和感を受けることがたびたびある。たった今「違和感」という言葉を使ったが、この「感」の使い方についてもそうである。チュウハイの広告に「グレープフルーツ感がアップ」という記述を見つけた。また、インスタントコーヒーの箱に「コーヒー感」「ミルク感」なるものを数字化して表しているのを見た。伝えたいことのニュアンスはわかるが、どうも正しい日本語とは思えない。そのような表現が正しいとすれば、
「私の財布はいつも一万円札感が不足している。」
というような言い方も許されるのだろうか?
それ以前から気になっていたのが、「的」の使い方である。私自身は「社会的」「歴史的」「経済的」「文化的」等、「的」の前におくことができる名詞は限られている、なんでも前においていいわけではない、と認識していた。ところが「私的」「気持的」等の表現が出現し、最近は何でもありになってしまったようだ。
あるとき、そんなことをイギリス人と話していた。すると、日本語についての知識がある彼は、
I know what ‘teki’ is. It’s a train ticket that can be used repeatedly, isn’t it?
と得意げに言った。それは「てーき」です。
まさに「ドイツ対スペイン」は「経済の優等生vs経済の劣等生同士の戦い」であった
2010年FIFAワールドカップの準決勝戦、ヨーロッパ勢の3カ国(ドイツ、スペイン、オランダ)が勝ち残り、ドイツ対スペイン戦が実現したが、結果は1-0でスペインが勝ったのは皆さんもご存知なはず。自分はこの試合をサッカーとは別の見方で楽しんだ。ギリシャの財政破綻を機にEU連合は同一通貨であるユーロ(euro)を使用しているため(ちなみにイギリスはユーロは未使用)に一気にユーロ危機が加速しどの国も財政出動、緊縮政策へと舵を切った。
There are huge differences between euro-zone economies, and these have shown up in persistent economic imbalances.While Germany runs a giant current-account surplus, other nations, like Spain, post deficits. With so many poor performers in the monetary union, the euro’s value and the overall growth of Europe could suffer.
ユーロ圏でのそれぞれの国の経済には大きな隔たりがあり、それは経済の不均衡という形で常に顕在化する。ドイツが現在大幅な財政黒字を計上しているにもかかわらず、スペインのような国は赤字を出している。通貨統一したユーロ圏には他にも経済の劣等生がいるためユーロの通貨価値とヨーロッパ全体の経済成長が阻害される恐れがある。
まさに「ドイツ対スペイン」は「経済の優等生vs経済の劣等生同士の戦い」であった。そして劣等生であるスペインが勝利したということはEUユーロ圏の今後を暗示しているのかもしれないと言ったら言い過ぎだろうか。