アーカイブ: 2009年9月

「生まれ」か「育ち」か?

工夫して「環境」さえ整えてしまえばあとは努力さえすれば英語は必ず身につく

ある人の能力や人格はどうやって形成されたのかを問う言い方で「生まれか育ちか」と言う言葉がある。英語では、”Nature or nurture?”と言う。

natureは「自然」という意味で用いられることがほとんどだが、元々は、「自然に備わっている人間の本性、天性、素質」という意味で使われた。

nutureは「養育、教育、しつけ」という意味で派生語でnutrition「栄養」がある。

「生まれか育ちか」はそのまま「素質か環境か」という意味に置き換えられるが、教育学ではこれは永遠に答えが出せないのではないかという問題である。

例えば、シアトル・マリナーズのイチローは天才であることは言うまでもないが、日本にいる時からずば抜けたバッティングセンスで安打を量産して、鳴り物入りでメジャーリーグ入りを果たし、今年9年連続200本安打達成というメジャー記録を打ち立てた。イチローにとっては日本だろうがアメリカだろうが、イチローはイチローである。まさに「素質」=natureが開花している好例であろう。

最近話題を呼んだ盲目のピアニスト、辻井伸行さんは生まれてすぐに視力を失ったが、両親が幼い伸行さんにピアノを習わせたことから、めきめきと上達し、今や世界的ピアニストに成長した。これは伸行さんの「素質」も大きいが、もし両親がピアノを習わせなかったら決してその才能は開花しなかったであろう。これは「環境」=nutureがものを言った好例である。

イチローも、辻井さんも、もちろん「素質」だけ、または「環境」だけに起因するのでなくその2つの相乗効果(synergy)であることは確かだ。どちらも一方だけでは開花しようがない。

種だけでは芽は出ない。豊かな土壌があって初めて花は咲く。

さて、ある人が英語が堪能の場合、それは「素質」なのか「環境」なのか?これは、経験上やはり「環境」が圧倒的に「素質」を上回る場合がほとんどである。英語で悩んでいる人は「自分にはセンスがないから」とか「英語は結局頭のいい人しかできるようにならない」なんて絶対に思わないで欲しい。英語学習で「環境」というと、どうしても「海外留学」のことと思いがちだが、断言できるのは、絶対日本にいても英語はマスターできる!ということである。例えば、衛星放送で英語ニュースを観て、英字新聞や英文雑誌を読みふけり、インターネットで英語圏の人と英語でメール交換などしてみてはどうだろう。工夫して「環境」さえ整えてしまえばあとは努力さえすれば英語は必ず身につく。頑張ってください。

Your effort will surely pay off!

英語の小説

英語力ももちろんつきます!

大学受験生は長文読解にも時間を割くと思いますが、どんな種類の文章を読みますか。一般的には論説文が多いのではないでしょうか。これは大学受験に限ったことではないかもしれませんが、だいたい学習者が少し改まって英文を読むときは、例えば英字新聞とか、英文雑誌が多いのではないでしょうか。入試問題も(もちろん小説文などもでますが)、やはり論文タイプが多いでしょう。英検やTOEICも同様です。

しかし、本当の長文を読むならやはり小説だと私は思います。時間は確かにかかります。しかし1冊読み終わると何か充実感を感じます。毎日少しずつでもよいので、読んでみてはいかがでしょう。OXFORDやPENGUINから、LEVEL1から6に分かれたおもしろい小説がでていますのでおすすめです。自分のレベルに合った本を読んでみましょう。英語力ももちろんつきます!

English novels are a good tool to improve our English. Select a book whose level is suitable to us. It would be better to read one book a month. OXFORD and PENGUIN are recommended.

ちょっとした日常英会話

日常的に使われているけど、意味が理解しにくい英会話表現。

日常会話ではとても頻繁に使われているのに、外国人にとっては理解しにくい表現ってありますよね。例えば日本語でも、「頭来る」とか「腹立つ」というのは「怒っている」という意味の慣用句なのは我々には当たり前でも日本語を学び始めた外国人にとっては「?」だと思います。

英語でも、パッと聞いて我々が「?」と思ってしまうフレーズがたくさんありますが、いくつか挙げてみると、

A: I’m leaving for New York next week.

B: When you get there, Drop Me a Line.

A:来週ニューヨークに行きます。

B:着いたら、メールちょうだい。

“drop me a line”というのは「手紙で近況を伝えてください」の意味で、a line は「一行、一筆、短い手紙」という意味です。現在であればEメールになるでしょうね。

A: We are finished, Tony.

B: No, don’t say that again, Jane.

A: We always repeat the same thing over and over! I can’t stand it anymore.

B: All right. So Much for That.

A:私たちもう終わりよね、トニー。

B:そんなこと言うなよ、ジェーン。

A:だって結局同じことばかり繰り返してるじゃない。もう耐えられないわ。

B:わかった。もうやめにしよう。

“so much for that”というのは「それで終わりにしよう、もうそれで十分だ、結局そんなものだよ」という意味です。よく授業の終わりに出てくる”So much for today.” 「今日はここまで。」というフレーズを思い浮かべればスッと理解できると思います。

A:Do you know when he will come?

B:Beats Me.

A:彼がいつ来るか知ってる?

B:そんなの知るかよ。

“(It) beats me.”というのは「答えが全くわからない、そんなの知らないよ、わかるわけ無いだろ」という、”I don’t know.”のちょっと乱暴な言い方です。beatには「~を閉口させる」という意味があります。

今回は3つ挙げてみましたが、3つとも知ってたよという方はかなりの英語通ですね!

TOEICというテスト

そのこともお忘れなく!

TOEICというテスト、当然多くの皆さんが受験していらっしゃると思いますが、600点くらいの方は、リーディングの問題量の多さに驚いているのではないでしょうか。全部答えるにはスピードが必要ですが、高得点を取るには正確さも必要です。二兎を追うしかないですね。ただ、ある程度コツみたいなものもあって、全部問題を読まなくても正解できる問題も多く含まれています。900点台をとる人は皆そのコツを心得ています。ぜひ皆さんその要領みたいなものも意識していきましょう。

ただ要領だけでは当然だめです。なんといっても基本的な英語力は不可欠です。そのこともお忘れなく!

What do you think about TOEIC test? There’re quite a few questions, especially reading questions, and many of you whose score is around 600 probably cannot answer all the questions. But once you know a knack of answering TOEIC test efficiently, it may not be a dream that you obtain 900.

Try to get the knack.  Of course, basic English knowledge is a must, though.

夏目漱石の入試問題に挑戦!

「夏目漱石」と言えば、もちろん明治時代を代表する文豪として名高いのはもちろんですが、「英語教師」としても非常に優秀な先生でした。

「夏目漱石」と言えば、もちろん明治時代を代表する文豪として名高いのはもちろんですが、もう一つの顔として「英語教師」としても非常に優秀な先生だったというのは有名な話です。

東京帝国大学(今の東京大学)で英文学の講師としてシェークスピアの講義などをしていましたが、生徒からの人気は絶大で教室に入りきらないくらい生徒が集まっていたそうです。

そんな漱石は愛媛の松山中学で1年、熊本の第五高等学校で4年、英語教師として勤めています。松山中学での教師生活は小説『坊っちゃん』の中で時折垣間見えますよね。

そこで、漱石が五高時代に作成した「入試問題」に次のようなものがあります。

和訳しなさい。

1.He made up his mind never to give it up.

2.No sooner was the new Czar in power than he set about improving his country.

解答は、

1.彼は一度決意したら決してそれをあきらめなかった。

2.新しい(ロシアの)皇帝は即位するとすぐに国の再建に取り掛かった。

どうですか?現在の入試問題と比べてもそれほど変わらないような気がしますが・・・

ちなみに漱石の生徒たちは、漱石が試験に出すのは必ず難しい箇所だから、そういう部分を集めておけば大抵そこが出題されるので、ヤマを張るのが簡単だったようです。いつの時代も生徒は先生のことをお見通しなんですね。

 
横浜の英語教室の英語講師達によるブログ